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回答(3)
「凜」が正字で「凛」は俗字です。
当初当用漢字にも人名用漢字にも入っていない表外漢字でした。
どういうわけかJISが第二水準シフトJIS:#997Aに俗字の「凛」を入れてしまいました。
* 印刷・出版業界では正字の「凜」を使うため外字で対処してきました。
http://www.biblosfont.co.jp/pdffiles/g02sample.pdf シフトJIS:#F99A
1981年に「尭」「槙」が新字体で人名用漢字に加えられました。
1983年のJISで「堯」「槇」はコードを新字体に明け渡して、第二水準の末尾に移転させられました。
そのほかの多くの字について正字・略字のコードを1978年のJISと逆転させたために文字化けが発生し(「籠」が「篭」になり、「篭」が「籠」になる)、大混乱を招くということがありました。
http://www.asahi-net.or.jp/~ax2s-kmtn/ref/jis78-83.html
1990年に人名用漢字として正字「凜」が加えられました。
ただし、#997Aを正字「凜」に変更して俗字「凛」を移転させることはしませんでした。
悪夢の文字化け騒動に懲りたのかも知れません。
* しかし先般の2004年の改正で「葛」「祇」などは字体を正字に戻したため、
XPの「ネ氏」がVistaで「示氏」に化けるということが起こっています。)
「凜」と一緒に「熙」も人名用漢字で新字体が出来たのですが、旧字体「煕」がもとのコードにそのまま坐っています。
このこと自体は悪いことではありません。
MS IMEやATOKが辞書を改訂して「りりしい」「りんぜん」を変換したら少なくとも「凜々しい」「凜然」が候補に出てくるようにすべきなのですが、サボっていました。
そのため正字を使いたかったら手書きか単漢字でないと入力できませんでした。
「こうきじてん」も「康熙字典」ではなく「康煕字典」になります。
さらに困ったことに2004年の改正で許容字体を人名用漢字に昇格させるとともに「曾」「曽」と同様に「凜」「凛」が人名用としては同格だということにしたのです (一字種一字体の原則を抛棄)。
そのため第二水準の末尾(シフトJIS:#EAA3)に逼塞して、ただでさえ影の薄かった正字「凜」がますます疎んじられるに至りました。
質問者様が「りりしい:凜々しい」「りんぜん:凜然」「りんこ:凜乎」「りんれつ:凜列」を単語登録して、正字「凜」を使ってくださるよう願っています。
投稿日時 - 2007-08-11 00:38:36
garamondさん、詳しくご説明頂き本当にありがとうございます。
実は、子供に『凜』と言う字を入れたいのですが、色々調べても『凜』と『凛』、同じ意味合いとしか出ておらず、はたしてどちらが正しいのか疑問に思っていました。
とってもすっきりとさせて頂きました!
正字である『凜』を入れようと即決です!!
本当にどうもありがとうございました。
投稿日時 - 2007-08-11 13:21:00